megane30sai’s blog

オッサンのオッサンによるオッサンの為のブログ。

踏切

朝、遠くからカンカンカンカンと一定のリズムで踏切は歌う。


もうす電車が来るぞ!と言葉にしなくても、ここにいる人達には十分伝わるのだ。


背広を片手に持ち、ハンカチで顔を拭きながら小走りになるサラリーマン。


身の丈に合わないブカブカな制服を着て、子供から大人へと日々成長している学生。


少し乱れた髪と化粧で、何かに捕まらないと立っていられない20代の綺麗なのになんか残念な女性。


様々な人達があの音を共有している


朝から不快だと思う人もいる。

目が覚める人もいる。


踏切の役割は注意を促す事。

無視して進もうとする者に対しては

優しく手を広げて静止を試みる。


ただ、それだけなのに捉え方がそれぞれ違っているのは面白い。



街灯がない田舎ならば、その光は迷い人の目印となるだろう。


盲目の人にとっては、その音がする方が目的地だと教えてくれるだろう。



踏切が何かしたわけじゃない。

文句一つ言わずに、黙々と自分の仕事をこなしている。


365日、休みもなく朝は4時から夜中は1時頃まで働き続ける。


そんな人間はいない。

そんな鉄人がいたら身体を壊してしまう。心が閉鎖されてしまう。


誰になんと言われようが変わらない。


踏切は今日もけたたましい音を立てながら歌い続けている。


このブログは50m先にある踏切を見ながら書いてみた。