表裏一体①

私の仕事は販売業である。

必然的に接客する事が求められるし知識も必要。

何人も販売員がいる為、否が応にも人との関わりが出てくる。

自分だけを優先すれば、ひたすら売り続けるのが正。

周りを優先すれば、いかに裏方に徹する事が正。

この２つを両立するのは非常に難しく

同じ考えの人達が集まらなければ成り立たないと考える。

個人的見解にはなるが

裏方が好きな人間は、表で売るのが苦手な場合が多く

売るのが好きな人間は、裏方業務を軽視している場合が多い。

どんなに華やかな舞台であったとしても

必ず裏方の人間が存在する。

目立ちにくく、誤解を招きやすいポジションだが

上手くまとまるチームは大抵この裏方の存在感が大きい。

また、場合によっては裏方がメインになる事もある。

以前、こんな２人で形成されたチームがあった。

１人は全国でも上位に入る販売のプロ。

もう１人は、そんなプロを支える裏方のプロ。

売手は裏方を全く気にせず接客をひたすら繰り返す。

裏方は売場には出ず、発注や書類整理を日々こなし続ける。

ある日、裏方担当が寿退社をしたのだが

そこから売手担当の調子がわかりやすく落ちて行った。

今までは黙っていても自然と出来ていた事が出来なくなり

売りにばかり走ったせいで裏方業務がわからない。

しかし彼は生粋の販売師であり裏方作業が

いつまで経っても覚えられず、結局すぐに辞めていった。

あれが逆でも同じような末路を辿った可能性はあるのだが

裏方担当は「売れない」わけではない。

売手は裏方を選ぶが、裏方は売手を選ばないという事だ。

昨日まで、私のいるチームは売手・裏方が１人ずついて

私はその日の組む相手によって

自分のポジションをスライドさせていった。

結果的に売ることも、裏方も半端ではあるが

５段階評価で３くらいずつは出来ていると自己評価している。

今まで成し遂げなかった１人で表と裏を行う。

そんな表裏一体を目指しているのだが

まだ目標までは遠い気がしている。